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【蕎麦好き必見】蕎麦にはこんなに種類があった!

古くから日本人に愛されてきた蕎麦は、本来とっても素朴な食べ物です。しかし、ひとくち食べれば蕎麦の実の香ばしさがふわりと広がり、つるりとしたのど越しは次の箸を誘います。

一般的には食事の際に音を立てるなんてマナー違反ですが、蕎麦に関してはキレイにすすり上げることが寧ろ美徳とされています。温かい蕎麦も冷たい蕎麦も、豪快にすすり上げれば、さらなる香りが五感すべてを刺激します。

そんな蕎麦はシンプルなのに奥が深く、種類が豊富なのをご存知でしょうか?

ここでは蕎麦粉の種類から、伝統的な"江戸そば御三家"をお伝えするとともに、蕎麦と相性が良く、蕎麦のおいしさを引き上げるおすすめ蕎麦料理をご紹介します。

蕎麦好きの方も、あまりよく知らないけど興味はあるという方も、蕎麦を食べる前にぜひ参考になさってください。

1.蕎麦粉には4つの種類があります

蕎麦の実は外側から殻・種皮・胚乳・胚芽という構造になっています。どの部分の粉を使用するかによって、蕎麦粉は4種類に分かれるのです。そして蕎麦にどの蕎麦粉が使われているかは、蕎麦の色の違いでわかります。

では、この4つの蕎麦粉にどのような違いがあるのかをご紹介します。

1-1. 蕎麦の実を製粉して最初に出てくる「一番粉」

最初に蕎麦の実を挽いたときに割れて出る粉が「一番粉」として扱われます。蕎麦の実の中心部分が多く含まれ、主にデンプン質が主体です。蕎麦粉の色は白く、蕎麦のほのかな香りと上品な甘味が楽しめます。一番粉を使った蕎麦は歯切れとのど越しが良く、全体的に品の良い蕎麦に仕上がります。

1-2. 栄養価の高い「二番粉」

一番粉を挽き、さらに蕎麦の実を挽いたものは「二番粉」として扱われます。二番粉には先ほど説明した蕎麦の実の内側部分である、胚芽や胚乳が多く含まれ、炭水化物やタンパク質・ルチンなどの蕎麦特有の栄養をバランスよく摂ることが出来ます。蕎麦粉の色は淡い緑やクリーム色を混ぜたような色合いをしており、蕎麦の独特の味や香ばしさは一番粉より豊かです。二番粉を使った蕎麦は味・食感・香りを兼ねそろえた、バランスの良い蕎麦といえます。

1-3. 風味が抜群の「三番粉」

二番粉を挽き、さらに蕎麦のみを挽いて作られた蕎麦粉は「三番粉」として扱われます。胚芽・胚乳より外側の部分が入りますので、タンパク質やルチンなど蕎麦特有の栄養の配合が多くなります。 蕎麦粉の色も二番粉より黒くグレーが入ったような色になり、風味は二番粉をも凌ぎます。種皮の繊維質も入ってくるため三番粉を使った蕎麦は、一番粉・二番粉のような繊細さを求める蕎麦より、蕎麦らしい豊かな風味と素朴な食感を楽しむ蕎麦と言えます。

1-4. 乾麺などに使用される「四番粉」

三番粉のあと、外側の殻ぎりぎりまで挽いた蕎麦粉は「四番粉」または「末粉」と呼ばれます。タンパク質と食物繊維が多く、色合いも黒く、これまでの粉より粒子も粗く感じるでしょう。しかし蕎麦の香りは、加工に負けない力強さを秘めていますので、乾麺・茹で麺などに利用されています。

食感が良くないと言われる四番粉を使った蕎麦ですが、香りは強く保存に向いています。乾麺としていつも家に置いておくのに最適なのです。

2.江戸そば御三家って何?

日本に古くから伝わる江戸そばには、三大系統と呼ばれる種類があり、それぞれ「更科」・「砂場」・「藪」と名付けられています。

そんな江戸そば御三家の特徴をご紹介しましょう

2-1. 真っ白な麺が特徴の「更科」

更科と呼ばれる蕎麦は、長野県の更級村よりやってきた蕎麦職人が広めたことに由来します。古くは江戸時代、武家屋敷の保科家にお世話になりながら江戸そばを広めました。

更級村と保科家の一文字目をとり「更科蕎麦」と名付けられた蕎麦は、前述した一番粉を使用した「更科粉」から作られる、白い蕎麦です。蕎麦といえば当時は、蕎麦粉を練った団子状のものが主流だったため、のど越しなめらかで上品な香り漂う更科蕎麦は、瞬く間に江戸に広まったのだそうです。

2-2. 甘くて濃いめのそばつゆが特徴の「砂場」

砂場蕎麦の由来はさらに古く、大阪城築城の頃に遡ります。当時砂置き場だった「砂場」と呼ばれる場所に、働く人々が仕事の合間に手軽に食べられるようにと、一軒の蕎麦屋が始まりました。砂場蕎麦は、当時の愛称だった「砂場」がそのまま定着したものなのだといわれています。

忙しい合間にすぐにエネルギー補給ができる砂場蕎麦は評判を呼び、徳川家康が江戸城へ居城する際に、共に江戸へと移りました。

そんな労働者に愛されていた砂場蕎麦は、甘めの濃いつゆが特徴です。疲れた身体に甘いつゆと蕎麦の香りは、どれだけ町民の心と身体を癒していたことでしょう。また、蕎麦を食べ終わった後のつゆに蕎麦湯を入れてほっと一息つくのも、砂場蕎麦の楽しみの一つと言われています。

2-3.緑がかった麺が特徴の「藪」

藪蕎麦の由来については諸説ありますが、藪蕎麦発祥と言われる店に大きな竹藪があったことから、「藪」と呼ばれるようになったと言われています。

そんな藪蕎麦の特徴は、緑がかった蕎麦と少し塩辛いつゆです。藪蕎麦に使われる蕎麦は二番粉・三番粉を使った風味の強い蕎麦で、その香り高さは辛めのつゆにも負けません。

江戸の通な蕎麦の食べ方として「蕎麦の先を少しだけつゆにつけて食べる」という食べ方は、この藪蕎麦に由来します。

発祥とされているお店の常連客の多くは、忙しい職人だったそうです。忙しい中でもつゆの香味と蕎麦の豊かな香りを味わえる藪蕎麦は、そんな職人さんのパワーの源だったのかもしれません。

3. おすすめ蕎麦料理を紹介

蕎麦の良い所のひとつとして、バリエーション豊かに楽しめるところです。温かくしても冷たくしてもおいしく楽しむことができ、さらに種物と呼ばれる具をのせることで様々な味を堪能できます。具と一緒に食べることで、蕎麦の栄養だけでなく多方面から栄養を摂取できるという利点もあります。

では、そんなバリエーション豊かな蕎麦料理の中でも、特におすすめの三品をご紹介します。

3-1.「鴨せいろ」とは

鴨せいろは、冷たくしめた蕎麦を暖かい鴨汁につけて食べる蕎麦です。温かいつゆに煮込まれた鴨肉の風味が溶け込み、鴨の油が蕎麦の風味をさらに引き立てます。ふわりと香る葱の香味も相性が良く、暑い夏のエネルギー補給におすすめの一品です。

また、冷たい蕎麦を食べる時に出される蕎麦湯を、鴨せいろでも楽しむことが出来ます。その際、鴨汁に蕎麦湯を注いでは量が多くなりすぎてしまうので、お店の方に蕎麦猪口とレンゲをお願いしましょう。蕎麦猪口に鴨汁をレンゲで適量入れ、蕎麦湯でお好みの濃さでいただきます。

3-2.「天そば」とは

天そばは、天ぷらとせいろ蕎麦が別々に盛られた蕎麦です。通常そばつゆと天つゆは分けで提供されますが、そばつゆにまとめて提供されるお店もあります。天ぷらのサクサクした食感を楽しむことができ、そばつゆと天つゆが分かれているお店では、そばつゆに油をつけることなく、純粋に蕎麦の味をいただけます。

海老や茄子・大葉などの天ぷらが添えられることが多く、季節によって穴子の天ぷらを添える店もあります。天ぷらになる野菜や魚介類の栄養を一緒に摂れるばかりか、天ぷらのサクっとした食感と蕎麦のつるっとしたのど越しのコントラストが楽しい蕎麦です。

3-3.「鴨南蛮」とは

鴨南蛮は、前述した鴨せいろがひとつになった温かい蕎麦です。「南蛮」の由来は諸説ありますが、葱の事を指します。

鴨は冬に最も脂がのり、美味しさが増します。そんな寒い時期に温かい鴨南蛮は、身体を芯から温めてくれます。また同じ時期に旬を迎える、柚子の皮が添えられることもあります。

4.まとめ

蕎麦は使われる蕎麦粉によって、味・香り・食感・栄養に大きく違いがあり、それぞれに良さを持ち合わせています。

香り高い蕎麦を食べたいときは二番粉・三番粉を使った藪蕎麦、香り高い蕎麦を甘めのつゆで食べたいときは砂場蕎麦、蕎麦の香りを上品に楽しみたいときは更科蕎麦など、気分に応じて変化をつけられるのも蕎麦の良い所です。 また蕎麦粉の特性を知ることで、蕎麦以外でもガレットやパンケーキなど、蕎麦を使った料理に活かすことが出来ます。

空腹をただ満たすだけでなく、蕎麦の特性や種類を理解して楽しめるようになると、生活の中で幸せが増えていきます。ぜひ参考になさってください。

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